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日本の農業:第250・251集:縮小再編過程の日本農業―2015年農業センサスと実態分析―

日本の農業第250集

■発行日:2018(平成30)年3月15日

■対象:日本

■編著:安藤 光義(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)

■在庫:あり

■ページ数:262p.

■目次:

  • はじめに―本格的な縮小再編に突入した日本農業―(安藤 光義) … 1
  • 第一章 2015年センサスにみる農業構造変動の特徴と地域性―水田農業の担い手形成と土地利用の変化に着目して―(橋詰 登)… 15
  • 第二章 東北・宮城県における農業構造変動―津波被害と集落営農組織の展開に焦点を当てて―(渡部 岳陽)… 43
  • 第三章 秋田県における水田農業の構造変動(中村 勝則)… 68
  • 第四章 茨城県における農業構造変動の現段階―個別経営が主導する構造変動への復帰―(西川 邦夫)… 103
  • 第五章 新潟県中越地域における大規模水田作経営の展開構造―長岡市旧越路町・旧三島町を事例に―(平林 光幸)… 132
  • 第六章 北陸・富山における構造変動(小柴 有理江)… 166
  • 補論 農地流動化政策・構造政策の終焉を示唆―新潟、富山のセンサスおよび実態分析のコメント―(吉田 俊幸)… 188
  • 第七章 近畿地方の農業構造の変化―滋賀県における純土地持ち非農家多数派化の要因と対応―(伊庭 治彦)… 200
  • 第八章 九州水田農業における農業構造変動と集落営農の展開(品川 優)… 219
  • おわりに―本書の要約―(安藤 光義)… 248

■「はじめに」より:

 統計上の数字と現実との乖離が大きくなったのが2010年センサスであった。これは2007年に始まった旧品目横断的経営安定対策で導入された規模要件に対応するため集落営農が急増したことによる。2005年までの構造変動の趨勢と地域的な個性とは異なる結果が検出されることになった。そのため統計上の構造変動を鵜呑みすることはできず、特に集落営農の設立が著しく進んだ地域については現地調査によって把握した実態を踏まえて評価しなければならなかった。

 その後を受けた2015年センサスの課題は、構造変動という点では、前回のセンサスが捉えた急激な構造変動が政策的な要因による一時的なものであったかどうか、政策対応のために設立された集落営農がどのような変容を遂げているかを把握することにある。センサスの設計上、後者について法人化の進展程度しか調査できないため、やはり今回も現地調査による補完が必要不可欠となる。 本書の目的は、構造変動の推進力が個別経営体と組織経営体のどちらにあるのかを析出・類型化を行った統計分析(第一章)を出発点として、東日本大震災の津波被災地域を抱えつつも構造再編が進んでいる宮城(第二章)、政策対応のために急増した集落営農が徐々に変容を遂げている秋田(第三章)、構造変動の主役が集落営農から個別経営体にシフトしている茨城(第四章)、政策の影響を受ける以前から地域農業の組織化に取り組んできた新潟・中越の到達点(第五章)、農地集積進展地域・富山の担い手の実情と直面する問題(第六章)、農地流動化が進み「集落営農のジレンマ」という事態の回避が課題となっている滋賀(第七章)、カントリーエレベーター単位での大規模な集落営農の設立が進み、統計と実態の乖離が著しい佐賀(第八章)という各地域の実態を詳細に描き出すことにある。また、構造変動著しい北陸に対しては補論を設けて総括的なコメントをここで行うことにした。

 各論に入る前に、2015年センサスの全体的な状況を簡単に概観しておきたい。その結果を一言であらわせば、本格的な縮小再編への突入であり、地域差の拡大である。・・・

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