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日本の農業:第252集:新米政策下の水田農業法人の現状と課題 ―新潟県上越市―

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■発行日:2019(平成31)年3月31日

■対象:日本

■編著:農政調査委員会

■在庫:あり

■ページ数:152p.

■目次:

  • 第一章 新潟県上越市の水田農業と大規模経営の動向:本書の概要(平林 光幸)… 1
  • 第二章 農林業センサス分析から見る上越市における大規模稲作経営体の形成と経営展開(平林 光幸)… 7
  • 第三章 調査対象法人の基本的性格と規模拡大の状況(堀部 篤)… 27
  • 第四章 複合化・多角化と先端技術の取り組み(國井 大輔)… 43
  • 第五章 米の多様な品種構成による農業経営(平林 光幸)… 65
  • 第六章 新潟県上越市における大規模水田経営の経営戦略:作目選択の現状からみた水田農業政策変更の影響評価(小川 真如)… 89
  • コメント① 新たな米政策の下での水田法人経営の実態と政策課題(吉田 俊幸)… 119
  • コメント② 今回の実態調査に基づく上越市における農業法人の水田農業・経営の展開に必要な対策に関する論点(武本 俊彦)… 141
  • あとがき(農政調査委員会)… 149

■第一章の「はじめに」より:

 小規模高齢農家のリタイアに伴って,農業後継者のいない世帯で離農が進んでいる。その結果,平場地域においては各地で大規模稲作経営体が形成されており,中には100ha を超えるような経営体も出現している。
 こうした大規模経営体においては,一般的には後継者や農業雇用者も確保しており,充実した経営内容になっていると思われるが,今後の経営展開を考えた場合,課題となる点も少なくない。
 とりわけ以下のようなことがポイントとなるだろう。

・農地集積と地域との関係(⻑年にわたる信用・信頼関係の構築,地代)
・経営面積拡大と効率化(集約化,団地化,農作業の効率化)
・周年雇用の実現(冬季の仕事,経営の複合化・多角化,雇用管理)
・小規模農家の地主化とムラ仕事(水路の泥上げ,農道草刈り等の出役)
・実需者と結びついた米販売と価格の安定
・農業政策の変化と経営対応 ほか

 今回の調査地である新潟県上越市は積雪地帯であることから,冬季における農業生産は難しい。規模拡大にともなって家族世帯員だけでは労働力が不足する場合には,外部から雇用を導入しなければならないが,その場合に冬季の仕事をどのようにつくるのが課題となる。
 また,平成30 年度から米政策が大きく変わった。国による米の生産数量目標を都道府県に配分することが廃止された。加えて,米の直接支払交付金(7,500 円/10a)も廃止された。そうした中で,上越市では10a 当たり12 万円の収入を得られる米づくりを目標に掲げ,水田農業政策をJA 等と協力しながら進めてきた。同市における大規模稲作経営体の政策対応を把握するのも本書の目的の一つである。
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