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のびゆく農業:No.1007:イギリス労働党政権下の農村省構想

■原題:
・Neil Ward(2000), A Department of Rural Affairs: Radical Reform or Red Herring? Centre for Rural Economy Working Paper 54

■発行:2012年11月1日

■解題:安藤 光義→解題等(PDF)を読む(本編の一部を無料でご覧頂けます)

■翻訳:安藤 光義

■対象:イギリス

■ページ数:35p.

■在庫:あり

■目次:

  • 解題…1
  • 農村省構想:急進的な改革か、あるいは、目くらましか?…6
  • 1. はじめに:MAFF改革要求の歴史…6
  • 2. ニューレイバーの政府近代化アジェンダと農村問題…10
  • 3. 農村省のケース①:「出来事」としてのMAFF改革…14
  • 4. 農村省のケース②:「過程」としてのMAFF改革…16
  • 5. 農村省に対する懐疑的な懸念…18
  • 6. 農村統治の近代化:分離か統合か?…21
  • 7. 貯蔵庫の再編成から全体論的な深化へ:統合によるMAFF改革…26

■解題より:

 労働党政権の下でMAFFはDefraに改組された。ご案内のようにDefraはDepartment of Environment, Food and Rural Affairsであり、ここにAgricultureという文字はない。日本に引き付けていえば、「農業」の2文字を掲げる省庁が霞が関から消えたということを意味している。海の向こうの国で起きた、しかも10年以上前の過去の事件ではあるが、これはわが国の農業関係者にとってもやはり大きな衝撃だったのではないだろうか。

ここで紹介するNeil Ward(2000), A Department of Rural Affairs: Radical Reform or Red Herring? Centre for Rural Economy Working Paper 54は、労働党政権下で進められていた農業漁業食料省MAFFの農村省Department of Rural Affairs(DRA)への改組を巡る、当時のイギリス国内の動向を整理したものである。実際にはMAFFは環境・食料・農村省Defraとなったが、当初は農村省DRAへの再編が予定されていたのである。だが、それは食品安全管理局Food Standard Agency(FSA)の設立によって食品安全に関する機能が取り除かれたMAFFに、環境・運輸・地域省Department of Environment, Transport and Regions(DETR)の農村地域rural areasに関係する機能を足し合わせるといった単なる省庁再編ではなく、共通農業政策の改革(アジェンダ2000改革)による第2の柱second pillarの創設と共鳴する地方分権型の農村政策rural policyの進化を目指す急進的な改革であった。その意味ではイギリスの農村省構想は共通農業政策との関係抜きに考えることはできないものなのである(注1)。

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