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現地農業情報-農:No.292:農業分野の人材育成におけるリスクマネジメントに関する研究-未来志向型農家を育成する先進事例を中心に-

■発行日:2013年10月15日

■報告:久保田 裕美(日本大学生物資源科学部 助教)

■コメント:丸山 義昭((全国農業会議所・全国農業新聞編集主幹-元全国新規就農相談センター所長-)

■ページ数:54p.

■在庫:あり

  • 構成
  • 1.農業分野における人的資源をめぐる現状
  • 2.農業分野の人材育成とリスクマネジメント
  • 3.新規就農者の就農支援と課題
  • 4.有限会社トップリバーにおける人材育成システムの事例から
  • 5.今後の展望と課題
  • ≪私のコメント≫  丸山 義昭

■【問題の所在】より:

 日本農業の担い手育成と確保は喫緊の課題である。農業の新たな担い手については、生源寺(2008他)、小林(2002)、小池(2003)をはじめ、これまでに農政改革における担い手政策の評価や、企業参入、新規就農に関する知見が蓄積され、多くの議論がなされてきた。本稿では、「人材育成におけるリスクマネジメント」に焦点を絞り、農業分野における人材育成のあり方を検討する。就農希望者が新たに農業を始める場合、農地や機械、住居等から、技術、販路等まで、多くの課題をすべて自身で克服しなければならず、特に非農家出身者にとって農業で起業する事には高いリスクがある。これまで、経営継承あるいは新規参入に至るプロセスについては個別の解決方法は示されているものの、農地、技術、機会、販路、資金といった人材が育つ間の様々なリスクは誰が負うのかという点についての体系的な議論は寡聞にして少ない。

 本調査研究では、農業分野で新たな人材が育ち独り立ちするまでのリスクを組織である人材育成機関が負うことで、意欲ある未来志向の人材を輩出するというシステムに着目する。組織が人材育成におけるリスクを負い、世に有能な人材を輩出している先進事例として、長野県の農業生産法人有限会社トップリバーを取り上げ、トップリバーの事例から、多様化した人材の受け皿として今後農業分野の人材育成の確立に向けて、どのような支援が必要であるのか、また、農業分野において誰がどのように人材を育成していくのか、問題提起も含め論じたい。

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