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短報・コラム:農村女性起業とアントレプルヌース
―千葉県茂原市本納地区のフィールドリサーチ―

栗々山房の昼食

栗々山房の昼食
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3.農家レストラン「栗々山房」

 それから一行は、農家レストラン「栗々山房」に移動した。無節の立派な自家産材木を使用した建物は、米(1ha)、クリ(70a)、梅(50本)が育つ田畑や林に囲まれている。昼食をとりながら、食堂の鈴木憲子氏から説明を受けた。鈴木氏はもともと会社員として働いていたが、2002年義父の介護のため早期退職してこの工房を建設し、当初は春・秋の手仕事展を開催するイベント場として、ソーセージ作り、燻製、炭焼き、染物、縫物などの活動の場としてオープンしたが、友人の誘いも後押しになって、翌2003年にレストランをオープンした。

 起業資金はすべて自己資金であり、食器は以前から趣味で集めていたものを使用している。飲食店、菓子製造業、惣菜業の営業許可を取得、現在では週1回木曜日に営業し、ランチを20食限定で提供している。PRは入口の看板のみであり、すべて口コミである。そのためか、工房は「隠れ家」のような落ち着いた雰囲気である。メニュー作りにおいては、季節感を味わってもらうことや地元の野菜を使うことなど「旬の物を旬の時期に」をコンセプトとしている。当日は、カレイの煮付やゴマ豆腐や漬物などバラエティに富んだ料理を楽しむことができた。御飯をおかわりした者は、筆者だけではなかった。

 鈴木氏は、農家レストラン経営を考えている方に対して、次の四点をアドバイスしている。①食堂だけでなく人の集まるコミュニティスペースとしても活用することができたら楽しい、②人とのつながりは財産なので大切にする、③自分の目で見る、食べてみる、④できるものを続けていく。鈴木氏は今後、療養後の方が食べられるメニューを開発したいとのことである。

旬の味覚に舌鼓

旬の味覚に舌鼓

ゆずのパウンドケーキ

ゆずのパウンドケーキ

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