農政調査委員会は農業、農村の現場から提言します - Since 1962

日本の農業:第253集:水田地帯の農業構造の変化と家族経営 ―新潟県新潟市秋葉区―

nihonnogyo253

■発行日:2020(令和2)年3月31日

■対象:日本

■編著:農政調査委員会

■在庫:あり

■ページ数:122p.

■目次:

  • 第一章 本書の概要(平林 光幸)… 1
  • 第二章 農林業センサス分析から見る新潟市秋葉区における農業経営の展開(礒貝 悠紀・堀部 篤)… 7
  • 第三章 規模拡大の動向と地代(堀部 篤)… 23
  • 第四章 複合および多角化部門の導入の要因(飯田 拓詩・堀部 篤)… 41
  • 第五章 稲作農家の労働力と経営継承の行方(平林 光幸・吉田 健人)… 53
  • 第六章 大規模稲作経営の生産調整対応:米転作・規模拡大・販路選択(西川 邦夫)… 73
  • 第七章 Akihaもち麦プロジェクトの意義とグローカル・バリューチェーン構築(佐藤 奨平)… 89
  • コメント 農地保全・地域農業・農村の持続性確保という視点からの地域農業構造分析の必要性:大規模経営体への農地集積を進展させることが地域農業、構造変革の方向か?(吉田 俊幸)… 103
  • あとがき(農政調査委員会)… 121

■第一章の「本書の概要」より:

我が国における水田農業の担い手は多様化が進んでおり、これまで農業を担ってきた家族経営に代わって、集落営農組織、複数戸による共同経営や、さらには家族経営であっても多数の雇用を抱えるものなども出現している。

日本の農業252(『新米政策下の水田農業法人の現状と課題 -新潟県上越市-』)では、新潟県上越市を対象に調査分析が行われた。上越市は農地の流動化が進み、大規模な法人経営が多数設立されており、複数戸の共同経営や集落営農法人などによって100haを超えるような法人も出現していた。水田農業の先進的な地域と言える。他方で、今回、調査対象地である新潟市秋葉区では、これまで通りの家族経営が中心的な担い手として展開しており、彼らが離農農家の農地を集積し、少しずつ経営面積が拡大している。

また新潟県は、良食味米の生産地帯であることもあって、水田における稲の作付面積が多い。上越市においては、大規模法人による大豆や枝豆の生産が見られた。しかし、新潟市秋葉区において大規模法人の経営展開度合いが非常に弱いこともあって、そのため水田における稲作利用がほとんどである。

以上のような中で、本調査地である秋葉区においては、担い手である家族経営の動向や面積拡大意向、後継者の確保状況を把握することは重要なポイントとなる。また、2018年からの生産調整改革が与えた影響、担い手の作付行動の変化を探ることも重要である。他方で、こうした水稲単作地帯において、永遠のテーマとも言える農業経営の複合化、多角化などの取組、地域農業振興状況などの把握も必要であると考える。

本書では以上のようなことを課題として、多面的に調査を行った成果である。
書籍購入のメール送信フォームへ
Share

Warning: Use of undefined constant publication - assumed 'publication' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/apcagri/www/apc/wp-content/themes/apcagri/single7.php on line 58